陸上競技部 >> 五十嵐選手 インタビュー


 今回は,12月17日,マラソンのラストランとなる防府読売マラソンを終えられた五十嵐範暁
(いがらし のりあき)選手にお話をうかがいました。


 ラストランはいかがでしたか? 走り終えての心境などを聞かせてください。

ラストランを走る前,私は「大会に出るからには結果がすべてだ」と考えていました。

ラストランで防府読売マラソンを走る五十嵐選手でも,ラストラン当日は,沿道からの応援がすごくて,途中走って苦しくなりながらも,その声援を聞き,これまでのことを思い浮かべながら走ったりもしました。2年前の防府読売マラソンでキツかったこと,その時も会社の人たちが応援に来てくれていたことも。

もっといけるだろうと思っていたのですが,あんなに寒いレースの経験がなく,予想以上に過酷でした。寒くて,25〜30キロくらいのところでスタミナ切れをおこしてしまい,お腹がすいてきて,ゴールまでたどりつけるかなと一瞬思いました。でも,今回は現役選手として最後のマラソンです。苦しくても途中でやめることは絶対できない,走り切るしかないと思いました。

最後にいい結果で終わりたかったのでその部分では満足はいかないのですが,それでも,すべての現役選手が「この大会がラストランだ」と決めて引退できるわけではなく,こうして最後に地元の大会で走らせていただけて,本当によかったと思っています。


 これまでの選手生活の中で,陸上をやっていてよかったと思うこと,印象に残っている
    ことを聞かせてください。


選手生活では,一つひとつの試合,結果がすべてでした。仮に試合結果に満足できたとしても,その満足感は数日間しか続きませんでした。一つの試合が終わればすぐ次の試合に気持ちが向いていました。

ラストランでゴールする五十嵐選手それでも,振り返ってみると,駅伝でもマラソンでも,
チームのために何かできたと今思えるのは,よかったと思います。

ラストランを終えた後,引退セレモニーをしていただいたのですが,その時,高校時代の恩師の平山先生が来てくださっていて,花束をくださいました。先生が来られることは事前に知らされておらず,驚くと同時にとても嬉しく思いました。ラストランを走って,こんなにも多くの人たちが自分の走りを見守ってくれていたんだと改めて感じ,それがとても心に残っています。

 後輩に期待することは?

五十嵐 範暁選手今の中堅選手,若手選手を見ていて感じることは,みんな比較的クールだということです。彼らには,才能もあると思うし,学生時代にそれなりの結果も出しているのですが,練習などでは,「自分が勝ってやる」という熱い思いが見えないと感じることがあります。

もっとそういう気持ちを表に出せるようになれば,レースで「それなり」でなく「すごい結果」を出せる選手たちばかりだと思いますので,ぜひ頑張ってほしいと思います。

主力選手に期待することはありますか?

主力選手は,既にそれなりに完成されていて,やることもやっています。でもそれで終わりではない。自分の目標に向かって最後まで頑張ってほしいと思います。

 これまで五十嵐選手を応援してきたESSCや職場のみなさんにメッセージを
    お願いします。

6年間続けられたのは,みなさんの応援やサポートのおかげです。たくさんの方に支えていただいたおかげで自分のレースが成り立っていたのだと今改めて感じており,心から感謝しています。

ラストランを走り終えて,会社の方から,「これまで本当に楽しませてもらった。ありがとう」と言っていただいたのですが,私はそのことをとても嬉しく思いました。私はこれまで,もちろん自分のために走ってきたわけですが,それでも,そうして自分がやってきたことが,人のためになることがあったとすれば,それは本当に幸せなことです。
応援してくださった方に,少しでも陸上に興味を持ってもらえたり,楽しいと思ってもらえたり,何か役に立てているなら,私が16年間やってきたことはムダではない。そう思えるくらい,みなさんの応援が心に響きました。

これまで本当にありがとうございました。


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